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初恋~トルコ行進曲 [音楽(クラシック)]

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 師走に入って一週間ほどしたころ、気になりながら行けていなかった近くの鎮守の森に行ってみました。さすがにもう紅葉の時期は終わっていましたね。木々は葉を落とし、道に散った落ち葉が風に舞い上がって、折から降り注ぐ朝の光りにきらめいていました。

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 せっかくカメラを持っていったので、わずかに残った秋を探してみました。

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 今日は初恋の話でもしてみようかと思います。師走のこの忙しい時期にずいぶん暇な事を言っていると思われるかもしれません。本当は秋にふさわしい題材と思っていたのですが、気がついたらもう冬、しかも師走に入ってました。

 晩秋から初冬の空気がピンと張り詰めた頃が好きです。音痴で普段は鼻歌も滅多に歌わない私が、この時期、自転車に乗るとつい歌を口ずさんでしまいます。出てくる歌は、決まって昔の歌、中学生の頃流行っていた流行歌ばかりです。

 なぜかというと、その頃、恋をしていたのです。恋と言うにはまだまだ子供に過ぎなかったのですが、それでも恋心はいっぱしでした。楽しいときもつらいときも、当時流行っていた流行歌に自分の気持ちを重ね合わせていました。

 その頃、我が家で歌を聞くというとテレビだけでした。テレビの番組は今と違って、どのチャンネルでも歌番組が花盛りでした。スパイダースタイガースなどグループサウンズの始まりの頃、歌手は加山雄三とか橋、舟木、西郷の御三家に三田明吉永小百合坂本九石原裕次郎など、レアなところでは、梶光男、久保浩と言う歌手も思い出します。

 部活の帰り道、ある交差点まで来ると、私だけが帰る方向が別になります。皆と別れて一人になった私は、自転車の上で覚え立ての流行歌を歌います。冬の夕暮れは早くてあたりはもう真っ暗、調子ぱっずれの歌でもそこなら、気兼ねなく歌えました。

 

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 皆さんの初恋はいつ頃だったのでしょうか。それぞれに懐かしい思い出があるだろうと思います。私はおませだったのか幼い頃からいろんな人を好きになっていたような気がしますが、これが初恋かなと思ったのはこの中学二年の時でした。

 野球小僧でしたからどちらかというと女の子スポーツクラブの活発な子のたちとよく遊んだりおしゃべりしていたと思うのですが、2年の時たまたまK子ちゃんと同じクラスになりました。

 K子ちゃんは元々同じ野球部仲間のTAKEが好きだった子で、私はそれまで何とも思っていなかったのです。ところが同じクラスになって、彼がしきりに羨ましがるものですから、注目しているうち見事に嵌ってしまいました。

 彼女はどちらかというと華奢で、スポーツウーマンとは正反対のお嬢さんタイプの女の子でした。もちろん勉強も出来ましたけれど、習い事などもしていて当時の私などには近寄りがたい存在のように感じていました。

 ある時のこと、何の催しだったか忘れてしまいましたが、全校生徒が体育館に集まったところで、あろう事かK子ちゃんが一人壇上に上がってピアノを演奏したのです。

 当時私たちの中学校は1000人近い生徒がいました。聴衆は生徒全員と先生方でした。そのとき、ステージ上にあったピアノがアップライト型だったかグランドピアノだったか忘れてしまいました。

 しかし彼女が弾いたのが「モーツァルトのトルコ行進曲」だったことは忘れません。私には神業にも思える素早さで演奏するK子ちゃんを、大勢の在校生に混じって見上げていました。音痴で音楽劣等生の私には壇上のK子ちゃんがひどく遠い存在に思えたのでした。

 弾き終えた彼女は後でクラスメートに何カ所か間違えたと言っているのを聞いて、私には完璧に思えた演奏のどこが間違っていたのかさっぱりわかりませんでした。

 

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 ここで一つ訂正です。以前、ポータブル電蓄のところで初めて覚えたクラシック音楽はチャイコフスキー「クルミ割り人形」の中の「花のワルツ」と書いたのですが、間違ってました。そちらは中3の受験時、実際は中2のこの「モーツァルトのトルコ行進曲」の方が早かったのです。

 

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 秋から冬にかけて、それは始まりの頃だったのか、詳しいことはおおかた忘れてしまいましたが、ずっと私の日々は彼女とともにあるようになりました。毎日毎日寝ても覚めても彼女のことを考えていたような気がします。

 この頃からでした。それまで運動ばかりで見向きもしなかった図書室に入るようになり、詩や小説に目を向けるようになりました。恋という文字を捜していたような気がします。そこで見つけたのが島崎藤村「初恋」でした。

まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけり


やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に
人こひ初めしはじめなり

 もっと続くのですがせめてこのあたりまで暗記しようとがんばりました。文語調だからリズムも良くて覚えやすかったはずですが、今は残念ながら、最初の二、三行ほどしか思い出せません。

 石川啄木の短歌に惹かれだしたのもこの頃からです。

 砂山の砂に腹這い

 初恋の痛みを

 遠く思い出る日

   

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 初恋とは実らないもの、とよく言います。中学3年になったとき私は図書室で借りた武者小路実篤「友情」を読んで驚きました。そこに私の心と同じ心が書かれていたのです。夢中になって読みながら、ああ、ここに僕がいる、と思いました。

 この初恋には続きの話がいっぱいありますが、それはまた機会があれば記していきたいと思います。 

 

  初恋に関する歌を捜してみたら日本の曲はたくさんあるのに外国のものがあまり見あたりません。ジャズの名曲にしても恋を歌ったものはたくさんあるのに、探し方が悪いのかファースト・ラブが見つかりません。

 向こうの人たちにとっては、恋は大人のものなのでしょうか。それとも、恋に順番はないのでしょうか。そう言えば、いつも恋は初恋のようにときめきますね。

 今日のYouTubeはやはりモーツァルトの「トルコ行進曲」にします。正式には「ピアノソナタ第11番 トルコ行進曲付き  k331です。 

 この曲の演奏は枚挙に暇がありませんが、今日はマリア・ジョアン・ピリスです。演奏曲としては入門用なのでしょうが、楽しく勇ましいはずの行進曲が、ここではまるで子守歌のように、優しく愛らしく語りかけてきます。


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般若坊

う~ん わかりますね・・・ そのころは多感な年齢ですから、寝ても覚めても・・・・ 青春の懐かしい、それでいて胸を締め付けられるような 思い出になっているのでしょうね・・・
by 般若坊 (2013-12-11 20:20) 

cafelamama

中学生~高校生の頃は、同じ学校の女の子が恋の対象になりますね。
恋を意識すると、彼女が教室にいようが校庭にいようが
深度の浅いレンズで撮ったように、彼女にだけにフォーカスが合い
他の人はボヤけて見えたものです。
映画「ウエストサイド物語」の中で
トニーとマリアがダンスパーティで出会うシーンのように。
恋をすると、周りが見えなくなるというのは、ほんとですね。
by cafelamama (2013-12-13 21:02) 

takenoko

このころの思い出はほのかな記憶の中にありますね。誰でも同じような経験があるでしょう。私も中学生時代ですね。
by takenoko (2013-12-14 07:27) 

たいへー

初恋か・・・そんな時もあったな。
不器用でしたねぇ。^^;
by たいへー (2013-12-14 07:30) 

himanaoyaji

懐かしい歌手の名前が有りましたね、高校の修学旅行で高校三年生を歌った事思い出しましたよ、 初恋ね・・・、初恋した事も、相手も忘れてしまってます、(>_<)
by himanaoyaji (2013-12-14 07:52) 

駅員3

素敵な思い出ですね。
僕の初恋の人もピアノが上手で、何かあるといつも引いていました。
その後その方は声楽の道にすすまれました。
by 駅員3 (2013-12-14 09:51) 

そらへい

般若坊さん
こんにちは

誤って下書きを投稿していたようで、早速コメントいただきありがとうございました。
私だけだったかと思ったら、皆さんその頃は同じような気持ちだったのですね。
人生で初めて味わう喜びと悲しみと苦しみでした。
by そらへい (2013-12-14 16:13) 

そらへい

cafelamamaさん
こんにちは

田舎では他校の女子と知り合いになることはほとんどありません。
ただ、いくつもの小学校から集まった中学校だったので、出会いはいつも新鮮でした。
ある日突然、自分の中の何かが予想外の動きをしていることに気づいたとき、恋が始まっていました。そしておっしゃるとおり恋は盲目とはよく言ったものです。
初恋とは限りませんが、恋をすると対象の女性が美しく見えたのも事実でした。女性にとっていちばんの化粧は、相手に恋をさせることかも知れません。優れた女優はより多くの男性に恋をさせているのだと思います。
by そらへい (2013-12-14 16:20) 

そらへい

takenokoさん
こんにちは

恋をすると自分だけ特別に思いがちですが
この頃、皆さんよく似た経験があるのですね。
大人になっていく過程の一つですね。
by そらへい (2013-12-14 16:24) 

そらへい

たいへーさん
こんにちは

そうですね。免疫がないものですから
初心でまっすぐでした。
今は免疫がありすぎて、多少のことではときめきませんが。
by そらへい (2013-12-14 16:26) 

そらへい

himanaoyajiさん
こんにちは

高校三年生がヒットした頃は、中学生だったと思うのですが
あこがれて歌ってましたね。
この頃流行った歌をYOUTUBEなどで探して聴くことがありますが
懐かしいと思うときと、ちょっと恥ずかしくなるときとありますね。
by そらへい (2013-12-14 16:30) 

そらへい

駅員3さん
こんにちは

音痴で音楽劣等生だった私は、楽器を弾くと言うことものすごく大変な事に思えました。
この頃、強烈に音楽に対する劣等感とあこがれを植え付けられた気がします。
by そらへい (2013-12-14 16:33) 

めい

こんばんは
ほのぼのとする初恋の思い出ですね
初恋は藤村好きの母の影響で私も空で言えるくらい
感銘してなん度も読みました
この詩は母を思い出します。
人を好きなことは甘酸っぱく毎日が楽しかったですね
今人を好きになったとしたら同じ想いが湧き出るんでしょうか(笑)

素敵な思い出の引き出しをお持ちですね♥


by めい (2013-12-14 18:09) 

KEI

好きな娘の前でわざと悪態をつく‥ そんなタイプのガキでした。^_^
by KEI (2013-12-14 19:51) 

そらへい

めいさん
こんばんは

藤村の「初恋」は、文語調で何とも格調のある詩ですね。
まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき
この出だしでぐっと引き込まれます。
お母さんの影響?
この詩、お母さんはきっとリアルタイムだったのでしょうね。
いくつになっても人を好きになることはいいことですし
人を好きになれたとしたらそれは素敵なことだと思います。
ま、初恋のようなわけにはいかないでしょうが。

失恋の引き出しは、段数が足りないくらいありますよ。

by そらへい (2013-12-14 22:08) 

そらへい

KEIさん
こんばんは

シャイなんでしょうね。
そういう子、いました。
それもまた意識している証拠なんですが
素直になれなくて
可愛いですよね。
by そらへい (2013-12-14 22:10) 

ken

初恋ですか、彼女とつきあったのは意外とおそく高校二年生でした
お互い山登りが好きで、妹みたいな女の子でした。
今もたまにふっと思い出しますよ
一度分かれて大学生の時少し付き合ったのですが彼女は北海道
の大学へ
なつかしい思い出です。
by ken (2013-12-15 10:40) 

夏炉冬扇

今晩は。
初恋は中学生ですね。
もうすっかりおばあちゃんの彼女と、時折あって。年寄話してますよ。
by 夏炉冬扇 (2013-12-15 19:05) 

タックン

裸木になった林に差し込む光の線が美しいですね~
懐かしい歌手の名前が沢山!
当時の歌を聞くと 無条件にその時代に戻ってしまいます。
その時代・・・もちろん初恋も含めて^^
武者小路の『友情』こころの残っています。
そらへいさんは野島の気持ちに共感されたのですか?
by タックン (2013-12-15 19:29) 

ケンタパパ

学生の頃、先輩にブラームスのヴァイオリン・ソナタの面白い聴き方を教わりました。

恋心を抱いたら第1番を、その恋が実ったら第2番を、実らなかったら第3番を聴くのがいいんだそうです。

私はいつも第3番を聴いていたように思います。

by ケンタパパ (2013-12-15 21:20) 

しばちゃん2cv

こんばんは。
会津は雪です。
今日の記事は画像と文章が絶妙に会っている気がします。

by しばちゃん2cv (2013-12-15 21:36) 

そらへい

kenさん
こんばんは

初恋もやはり山つながりですか。
三つ子の魂、何とやらですね。
当時のままにふっと思い出せるのがいいですね。
分かれてよりを戻しまた分かれる・・・
そんな恋もあるのですね。



by そらへい (2013-12-15 21:48) 

そらへい

夏炉冬扇さん
こんばんは

初恋は幼なじみ
どちらも地元にいて歳を取るとそうなってしまいますね。
今だから語れることもあるような気がします。
by そらへい (2013-12-15 21:53) 

そらへい

タックンさん
こんばんは

懐かしい歌をYouTubeなどでたどるときりがありませんね。
イメージで残っているものを実際聞いてみると少し違って
気恥ずかしくなったりすることもありました。
「友情」も今読み直すと少し気恥ずかしく思うことがあるかも知れませんね。
当時は、野島の気持ちに共感しましたね。
読書でそのような体験をしたのははじめてでした。
同じ効果を求めて高校時代たくさん本を読んだものです。

by そらへい (2013-12-15 22:01) 

そらへい

ケンタパパさん
こんばんは

ブラームスのバイオリンソナタの聴き方でそんな説があるのですか。
はじめて聞きましたが面白いですね。
出来たらもう少し若い頃にその説を知っておきたかったところですが
その説を念頭に今度聞いてみようと思います。
by そらへい (2013-12-15 22:05) 

そらへい

しばちゃん2cvさん
こんばんは

こちらもいつ雪がちらついてもおかしくないくらい風が冷たいです。
長い文章ばかり詰まってしまうと、読んでいただくのが苦痛と思い
最近撮った写真を挟んでみたのですが邪魔にならなくて良かったです。
by そらへい (2013-12-15 22:15) 

watmooi

写真どれもいい感じ、好きです。

続き、を楽しみにしています。

あの頃はあれでいっぱいいっぱいだったのでしょうね。

by watmooi (2013-12-16 00:09) 

sigedonn

二枚目の写真がとくにいいな。
かなり真剣に恋したのはやはり中二から中三あたりでしょうかね。
好きになるのと、あれが初恋だったのかなと思い出すのではずれがありそうです。
私の恋も「K子」さんでした。高校受験間じかに控えたころ
東京・池上に転校してしまいました。
高1の最後に修学旅行があり自由時間に会いに行きました。
とてもよくしていただきましたが帰りの連絡船で暗い波間に泣けました。
恋の終わりを予感したのでしょうね。
いつの間にか便りも途絶えました。
「池上線」西島三重子の歌が沁みます。
by sigedonn (2013-12-17 17:46) 

そらへい

watmooiさん
こんばんは

今から思えば子供だったのでしょうね。
楽しかったり苦しかったりつらかったり・・・
当時はともかく、今は皆懐かしい思い出
これもまたそうして生きてきた証です。
by そらへい (2013-12-17 21:26) 

そらへい

sigedonnさん
こんばんは

やはり皆さん、中2.3年頃が多いですね。
大人になるための一番最初の試練でしょうか。
転校による別れと、修学旅行での再会
連絡船上での再びの別れ
ロマンチックで素敵な思い出ですね。
「池上線」
さびの部分がいいですね。
by そらへい (2013-12-17 21:37) 

プリウス

そらへいさん、こんばんは!!

すっと昔を思い出しておりました。

小学校2年生の時でした、ひとりクラスメイトがとても気になり始めたのです。
・・3年生の時、自分が転校して、中学がまた一緒になって、高校がバラバラで
・・大学の入学試験の時、彼女を見つけて、、、、”試験に異様に力が入って!”
合格して、同じ大学に通っていたのに、、、会話をしたのは数回・・・・。

・・・引っ込み思案な自分が恥ずかしいほどです。。。。(笑

by プリウス (2013-12-17 22:17) 

sarusan

そらへい さん、玉ねぎのコメント有難うございます。
特にハウス内のサラダ玉ねぎ室温が高く生育に貢献で成長が早くなっています。もちろん早めの収穫を目指してのハウス栽培ですが。
結果が楽しみです。
by sarusan (2013-12-18 09:01) 

そらへい

プリウスさん
こんばんは

いろいろな人生の流れの中で、何度も分かれたり再会したり
凄い縁ですね。
私たちの歳になってくると同窓会などで、
実は誰それさんが好きだったと言う話がよく出てきます。
初恋と言っても大方の人は、何も言えず思っていただけという方が
多いのではないでしょうか。
それが初恋の甘酸っぱさですよね。
by そらへい (2013-12-19 20:20) 

そらへい

sarusanさん
こんばんは

我が家のタマネギは、細々と寒さに震えるように立っているだけです。
ハウス栽培は、時期をずらして収穫できるのでいいですね。
将来やってみたいと思うことがありますが
温度管理が難しそうですね。
果たして、私に出来るかどうか。


by そらへい (2013-12-19 20:25) 

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